非上場株式・少数株式の株式価値算定裁判例分析2(Y興業事件)!
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非上場株式・少数株式の株式価値算定裁判例分析2(Y興業事件)
相手方Y興業株式会社(以下「相手方Y興業」という。)が申立人から買い取る相手方T土地株式会社(以下「相手方T土地」という。)の普通株式18万1450株の売買価格の決定を求める。
ア 申立人は、不動産の売買及び賃貸を主たる業とする株式会社であり、相手方T土地の普通株式を36万2900株保有していた。
イ 相手方T土地は、発行済株式総数が192万株の不動産賃貸を主たる業とする株式会社であり、定款に株式譲渡制限が規定され、その旨の登記がなされている(甲2、甲3)。
相手方T土地は、①大阪市中央区〈略〉所在のNGKの敷地(以下「NGK土地」という。)、②大阪市中央区〈略〉他2筆所在のSWINGYの敷地(以下「SWING土地」という。)、③大阪市浪速区〈略〉及び〈略〉所在の駐車場として利用されている土地(以下「駐車場土地」という。)及び④東京都中央区〈略〉他4筆所在の土地及び同土地上の建物(以下「MDMビル」といい、これら4件の不動産を「本件不動産」という。)を所有し、賃料収入を得ている。
株式価値算定裁判例2(Y興業事件)に採用された非上場株式・少数株式の株式価値評価方法と加重平均割合
収益還元法(DCF法):配当還元法=8:2
株式価値算定裁判例2(Y興業事件)における対象株式の概要
少数株主の保有株式数
:36万2900株(発行済株式総数の約18.9%)
:なお、少数株主の代表取締役がかつて対象会社の役員
支配株主の保有株式数
:相手方Y興業・・・・47万4780株(発行済株式総数の約24.73%)
: 議決権割合約37.75%
:対象会社の代表取締役の親族グループ・・・議決権割合約19.71%
:両者の議決権割合は合計で約57.46%になり過半数
判旨概要
【判旨概要】 株式売買価格決定申立事件において,売買価格を収益還元法を80%,配当還元法を20%の割合で加重平均した価格とした事例 |
少数株主の株式価値は、配当還元法による1株 300円
支配株主の株式価値は、収益還元法による1株3500円