非上場株式・少数株式トラブルの解決事例5【三崎三面鏡製作所事件(仮称)】

非上場株式・少数株式トラブルの解決事例5【三崎三面鏡製作所事件(仮称)】

非上場株式・少数株式トラブルについて、裁判所に株価決定申立を行った事例は多数存在し、裁判所の株価決定申立において、どのような要素がどのように考慮され、また、裁判外での交渉を行った事例については、どのような要素を考慮されどのような経緯をたどって、実際の株価決定や株価合意に至ったかについて、ここで解説をさせて頂きます。

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事例

創業者が後継者がいないことから同社に就職していた甥を後継者予定者として指名し、取締役にさせていたが、突如、同取締役を解任し、同取締役を経営から追い出すとともに、同取締役保有株式の買取りも拒否し、退職慰労金の支払いをも拒絶し、取締役貸付金の返還も拒否した例

依頼者

創業者の甥で取締役

相手方

会社及び創業者

事案の概要

創業者が後継者がいないことから同社に就職していた甥を後継者予定者として指名し、取締役にさせていた。この甥は、創業者に子息が居ないことを理由に同社に就職し、最初から後継者として育てられていた。

しかし、甥には後継者としての慢心が広がり、他方、創業者も高齢となり独裁者と化していたため、周りの意見を受け入れられず、創業者が、突如、同取締役を解任し、同取締役を経営から追い出すとともに、同取締役保有株式の買取りも拒否し、自己の株式であり、甥は名義株主にすぎないと難癖をつけ(ほんとうは甥は多額の資金を投資して株式を購入していた)、退職慰労金の支払いをも拒絶し、取締役貸付金の返還も拒否した例

甥としても長年、同社に勤務しており、いまさらどうすればよいのかという感もあり、取締役貸付金の返還請求、退職慰労金の支払い請求、保有株式の買取請求を行うことを決意。

会社及び創業者は、元取締役保有株式の買取りを拒否し、退職慰労金の支払いをも拒絶し、取締役貸付金の返還も拒否した。

内容証明郵便のやり取りののち、ひとまず取締役貸付金を回収し、それを原資に、訴訟の末、元取締役の甥は、裁判所から、退職慰労金全額の支払を勝ち取った。その後はしばらく膠着していたが、元取締役は同会社の事業に興味を持ちそうな投資ファンドに相談、投資ファンドは、すでに投資済みの会社と類似業種であり、技術的には対象会社の方が進んでいることを知り投資の意向を固め、対象会社にアプローチ。

結果

※なお、事件名はあくまで仮称であり、実際の当事者や実際の事件名とは異なったものを使用し、かつデフォルメしている。