非上場株式・少数株式トラブルの解決事例2【湾岸精工所事件(仮称)】
非上場株式・少数株式トラブルの解決事例2【湾岸精工所事件(仮称)】
非上場株式・少数株式トラブルについて、裁判所に株価決定申立を行った事例は多数存在し、裁判所の株価決定申立において、どのような要素がどのように考慮され、また、裁判外での交渉を行った事例については、どのような要素を考慮されどのような経緯をたどって、実際の株価決定や株価合意に至ったかについて、ここで解説をさせて頂きます。
事例
創業者の一族で元取締役(創業家傍系)が、ファミリーで20パーセント程度の株式を保有していたが、現在は退社しているので、現在の社長(創業家直系)から、配当も止められ、株式の買取りも拒否されてしまった例
依頼者
創業者の一族で元取締役(創業家傍系)(ファミリーで20パーセント程度の株主)
相手方
会社及び現在の社長(創業家直系)
事案の概要
現在の社長(創業家直系)の支配が盤石の中、その他の創業家(創業家傍系)はすべて会社から追い出されてしまい、その結果、会社からは配当も止められ、子息の会社への就職も拒否されたため、創業者の一族で元取締役(創業家傍系)が、会社又は現在の社長(創業家直系)に対して、保有株式の買取り又は第三者への譲渡を認めるよう求めていた事案。
社長(創業家直系)は、不当にも、その他の創業家(創業家傍系)に対して、配当の支払いを停止し、自己の役員報酬を倍増させた。
このことをきっかけとして、創業家(創業家傍系)で元取締役から社長(創業家直系)の善管注意義務違反の追及及び株式の時価での買い取り交渉を依頼された。
結果
訴訟を提起し、並行して相手方と交渉した結果、相手方から株式買取の申し出があり、時価よりは安い価格ながらも、時価に近い価格で、会社が買い取ることとなった。
※なお、事件名はあくまで仮称であり、実際の当事者や実際の事件名とは異なったものを使用し、かつデフォルメしている。