株式買取請求権(合併・株式交換等)の流れ!
反対株主の株式買取請求権(組織再編(合併・会社分割・株式交換・株式移転)に反対の場合)の行使の方法
非上場株式・少数株式の反対株主は、株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができます。
この非上場株式・少数株式の反対株主の株式買取請求権を行使できる場合は、以下のような場合です。
- 株式譲渡制限導入定款変更(会社法116条)
- 株式無償割り当て(会社法116条)
- 株式を引き受ける者の募集(会社法116条)
- スクイーズアウト株式併合(会社法182条の4)
- 事業譲渡・重要子会社売却(会社法469条)
- 組織再編(合併・会社分割・株式交換・株式移転(会社法785条・797条・806条))
反対株主株式買取請求権(組織再編(合併・会社分割・株式交換・株式移転))の行使の実務上のポイント
なお、非上場株式・少数株式の反対株主株式買取請求権の行使及び株式買取価格決定申立(組織再編(合併・会社分割・株式交換・株式移転)など)の流れ(フロー)において、特に注意すべき実務上のポイントは、以下のとおりです。
① 反対株主は2回の反対(株主総会に先立つ反対通知と株主総会における反対票の投票)が必要である点
② 委任状に反対と表示して提出しただけでは反対通知にならない可能性がある点
③ 株主総会において反対票の投票と同時に株式買取請求権の行使が必要である点
④ 株価決定申立はたいてい和解になるため必ずしも満額は取られないという点
反対株主の株式買取請求権(組織再編(合併・会社分割・株式交換・株式移転))の行使の流れ(フロー)
非上場株式・少数株式の反対株主株式買取請求権の行使及び株式買取価格決定申立(組織再編(合併・会社分割・株式交換・株式移転)など)の流れ(フロー)は、以下のとおりです。
会社法第785条2項
「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(株主総会に先立って当該行為に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、②当該株主総会において当該行為に反対した株主)をいう。
会社法第785条3項4項
株式会社は、効力発生日の20日前までに、株主に対し、当該行為をする旨を通知(又は公告)しなければならない。
会社法第785条5項
株式買取請求は、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数を明らかにしてしなければならない。
会社法第785条6項
株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。
会社法第786条1項2項
株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から60日以内にその支払をしなければならない。
株式の価格の決定について、効力発生日から30日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後30日以内に、裁判所に対し、株価決定申立をすることができる。
会社法第786条4項5項7項
株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の年6分の利率により算定した利息をも支払わなければならない。
株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。
株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。